○ 相談所講習会 賃貸編を開催いたしました!

平成26年11月25日(火)、(公社)福岡県宅地建物取引業協会業務第二課 山下課長を講師に迎え、相談所運営委員会主催の「相談所講習会:賃貸編」を支部事務所大会議室にて開催致しました。 当日は、総勢35名の方にご参加頂きました。

下記の5つの事案についてポイントの説明して頂きました。



(事案1)賃貸借媒介時の「預り金」の不返還に関する紛争事例

(事案2)居住用賃貸借契約に於ける建物の通常使用によって生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う旨の特約が明記されている場合の賃借人の原状回復義務に関する紛争事例

(事案3)定期建物賃貸借契約において期間満了1年前から6ヶ月前までに終了通知を出すことを怠り、期間満了後、約3ヶ月半後に終了通知を出した事案について貸主は借主に定期建物賃貸借の終了を対抗でき、明渡請求ができるものとした事例

(事案4)借主の使用目的に関する調査義務を怠った貸主側仲介業者の告知義務違反について

(事案5)貸主の借主に対する「使用収益させる義務」に関する紛争事例


 皆さん熱心に聴講されていました。
 各事案の説明後に質疑応答を受け付けましたが、多くの質疑応答を受けました。




参加された方、今回都合により参加できなかった方へ事案1のポイントを簡単におさらいしたいと思います。(事案2〜5は、割愛させて頂きます。)

(事案1)賃貸借媒介時の「預り金」の不返還に関する紛争事例
・賃貸借の媒介で、宅建業者が受領した預り金を返還することを拒むことは出来ません。
(業法47条2第3項に基づく国土交通省令で定める行為として禁止されています。)
・「居住用建物の貸借の媒介又は代理に際し、預り金の授受を原則禁止」
福岡県建築指導課宅建業係 指導より(平成13年12月6日付 13建宅第142号)

・宅地建物取引業者が例外として預り金を受領できるのは、借受け予定者が物件を特定しかつ物件を確保するために承諾した場合に限られます。この場合宅地建物取引業者は、重要事項説明書と併せて以下の 銑を記載した書面を、予め借受予定者に説明し、交付しなければなりません。

‥該預り金は物件確保する目的のものであること。
∧件確保の有効期限を記載すること。
M造蟠發蓮契約の成立、不成立にかかわらず一旦借受け予定者に返還されるものであること。

※申込金預り証のモデル様式は、本会のホームページから入手できます。
(不動産業務関連の書式ダウンロード)

・契約成立後のキャンセルは解約となりますので、契約条項によって処理されますが、本会の契約書では、手付金の規定は条文にありませんので、申込金を手付金に転換して没収することは出来ません。従って、実務上は、「解約予告(借主は解約申込日から30日分の家賃相当額を貸主に支払うことにより、即時に本契約を解約することができる)」の条文に基づき、借り受け予定者の了解のもと、1ヶ月分の違約金と預り金を相殺するのがベターと思われます。
・契約の成立、不成立の主張が当事者間で食い違いがありトラブルが発生している場合は、預り金は基本的に一旦返還し、その上で訴訟等による解決を図るのがベターと思われます。


※申込金(預り金)の取り扱いについては、広報紙 宅建ふくおか(第505号 2014年11月15日)に詳しく記載されていますので、是非ご覧下さい。

宅建協会福岡西支部では、不動産業界の健全な発展のために様々な講習会を開催しています。
お客様に信頼して任せて頂ける不動産業者を目指すために、様々な事例から学ぶことは、知識の蓄積のみならず、トラブルを未然に防止すると意味においても大変有意義です。
まだ講習会に参加されたことのない方は、是非参加されて下さい。


平成26年11月27日  黒江記